塾なしで、大学受験は本当に乗り越えられるのか。
のこここの問いに、私は自信を持って「乗り越えられます」と答えられます。
私には双子の息子がいます。太郎(理系)と次郎(文系)。2人とも高校3年間、一度も塾に通わずに大学受験に挑み、太郎、次郎とも地方国立大学に合格、次郎はその上関関同立に進学しました。現在、太郎は外資系IT企業、次郎は地方公務員として働いています。
この記事では、その経験のすべてをお伝えします。
- 塾なしを選んだ理由と、迷ったこと
- 実際にかかった費用(塾ありとの比較つき)
- 使った教材と学年別の進め方
- 受験期の1日スケジュール
- 「塾に行きたい」と言われたときの対処法
- 塾なしに向いている子・向かない子
読み終えたあとには、「うちの子は塾なしでいけるかどうか」の判断ができるようになります。
まず「結果」をお伝えします
長い前置きより、実績を見てください。
| 太郎(理系) | 次郎(文系) | |
|---|---|---|
| 通塾 | なし | なし |
| 使った教材 | スタディサプリ・参考書 | スタディサプリ・参考書 |
| 直前期の模試判定 | C〜B判定 | E判定 |
| 合格した大学 | 地方国立大学 | 地方国立大学・関関同立 |
| 3年間の受験費用 | 約17〜19万円 | 約17〜19万円 |
次郎はe判定から逆転合格しています。「e判定=終わり」ではありません。
塾に通うと実際いくらかかるのか
塾・予備校の年間費用の目安
| 学年 | 費用の目安 |
|---|---|
| 高校1〜2年生 | 年間30〜50万円 |
| 高校3年生(受験本番) | 年間80〜100万円以上 |
| 3年間合計(1人) | 約200〜300万円 |
双子だとこれが2倍。私の試算では、3年間で最大600万円に達する可能性がありました。これは地方国立大学3年分の授業料に相当します。
その費用を奨学金で補うとしたら、子どもたちが社会に出てから何年も返し続けることになる。その事実を、子どもたちにも正直に話しました。
我が家の実際の費用(3年間・1人分)
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| スタディサプリ(月額2,178円×約24ヶ月) | 約5万円 |
| スタディサプリ合格特訓コース(高3のみ)※現在は廃止 | 約12万円 |
| 参考書・問題集 | 約4〜5万円 |
| 模試受験料 | 約2〜3万円 |
| 合計 | 約25万円 |
塾ありとの差額は1人あたり約180〜280万円。これが塾なし受験の最大のメリットです。
なぜ「塾なし」を選んだのか
理由1:体への負担を最小限にしたかった
息子たちは決して体が強いほうではありませんでした。部活のあと夜遅くまで塾に通い、睡眠時間が削られる生活は避けたかった。「勉強の効率は、睡眠の質で決まる」という信念は今も変わりません。
理由2:勉強を嫌いにさせたくなかった
親から「勉強しなさい」と強制された子どもは、勉強を「自分のもの」として捉えにくくなります。息子たちには、勉強を自分で選び取る感覚を持ってほしかった。
理由3:双子の「競い合う力」を信じた
双子特有の話ですが、息子たちには「相方には負けたくない」という気持ちが自然と芽生えていました。外からプレッシャーをかけるより、この内側から出る競争心のほうが、長続きする原動力になると考えました。
塾なしに「向いている子」と「向かない子」
塾なし受験はすべての子に向いているわけではありません。正直にお伝えします。
向いている子の特徴
- 自分でスケジュールを立てられる(逆算して計画できる)
- わからないことを放置しない(先生や参考書で解決しようとする)
- 学校の授業を理解できている
- 自分のペースで着実に進められる
- 受験情報を自分で調べられる
向かない子の特徴
- 強制されないと勉強が動き出さない
- 競争環境・仲間がいないと燃えられない
- 学校の授業でわからないことが多い
- 計画を立てても実行できないことが多い



どちらでも、親のサポート次第で結果は変わります。向かないタイプの子でも、塾なしを成功させた家庭を私はたくさん見てきました。
塾なし受験を支えた「3本の柱」
我が家の勉強法はシンプルに3つだけです。
映像授業 + 参考書 + 過去問
この3つを正しい順番とバランスでやり切る。それだけです。
柱①:映像授業(スタディサプリ)
月額2,178円で、塾と同等かそれ以上の授業が受けられます。
息子たちが特に活用したポイント:
- 倍速視聴:理解できている部分は1.5〜2倍速で確認
- 繰り返し視聴:苦手な単元は何度でも止めて見直し
- すきま時間の活用:食後・就寝前の15分でも学習可能
- 志望校レベル別対応:共通テスト対策から難関国公立対策まで段階的に学習
通塾の往復1〜2時間がゼロになること自体が、想像以上のアドバンテージでした。
柱②:参考書(1冊を徹底的に)
参考書選びで失敗しやすいのは「何冊も買ってしまうこと」です。
我が家のルールは必ず本屋で実物を確認してから1冊を決め、ボロボロになるまでやり切ること。
参考書を選ぶ基準:
- 自分のレベルに合っているか
- 説明のレイアウトが自分に合うか
- 最後まで続けられそうか
記述対策だけは、学校の先生に添削をお願いしました。



「先生にお願いする」という行動力が、塾なし受験では特に重要です。
柱③:過去問(合格から逆算する)
高3の秋以降は、過去問が中心になります。
過去問演習のポイント:
- 時間を計って本番と同じ環境で解く
- 解けなかった問題は「なぜ解けなかったか」を分析する
- 弱点に戻り、該当単元の参考書・映像授業で補強する
- 同じ問題を解き直し、「解けた」を確認する
学年別ロードマップ
高校1年生:基礎を丁寧に固める時期
重点科目:英語・数学
この2教科は積み上げ型です。高1でのつまずきが高3になって大きな差として表れます。学校の授業を最優先にし、定期テストで手を抜かないことが最大の受験対策です。
やること:
- 学校の宿題・定期テストを完璧にこなす
- 英単語帳を1冊決めて毎日続ける
- スタディサプリで授業の予習・復習をする
高校2年生:現状把握と弱点発見の時期
重点:模試の活用
高2の模試は合否を決めるものではありません。「自分の弱点を発見するためのツール」として使います。結果を見て落ち込む必要はなく、「何が弱いかわかった」と前向きに受け取ってください。
やること:
- 模試を最低2〜3回受ける
- 模試の解き直しを必ずやる
- 苦手科目をスタディサプリで基礎から見直す
- 志望校を絞り始める(オープンキャンパスに参加する)
高校3年生:過去問中心の実戦期
重点:志望校の過去問と弱点補強
| 時期 | やること |
|---|---|
| 夏休み | 苦手科目を集中仕上げ・共通テスト対策 |
| 9〜10月 | 志望校の過去問を初見で解き始める |
| 11月 | 共通テスト模試で仕上げ度を確認 |
| 12月 | 共通テスト直前・基礎の最終確認 |
| 1月 | 共通テスト本番・二次試験対策に切り替え |
| 2〜3月 | 私立出願・二次試験本番 |
受験期の「1日スケジュール」(高3・秋以降)
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 5:00〜6:30 | 朝の暗記タイム(英単語・古文単語・理社の確認) |
| 7:00〜8:00 | 朝食・登校準備 |
| 8:30〜15:30 | 学校(授業に全力集中・休み時間に1問解く) |
| 16:00〜18:00 | 学校の自習室で演習(数学・英語) |
| 18:30〜20:00 | 夕食・入浴(頭を切り替える) |
| 20:00〜22:00 | メイン勉強(スタディサプリ視聴+問題演習) |
| 22:00〜23:00 | 暗記・その日の振り返り |
| 23:00 | 就寝 |
睡眠は削りませんでした。体調を崩したらすべてが止まります。8時間前後の睡眠確保が、最大の受験対策の一つだと今でも思っています。
「塾に行きたい」と言われたとき
高2の終わり、次郎が



やっぱり塾に行ったほうがいいかな
と言い出しました。友達が次々と塾に通い始め、取り残される不安を感じたようです。
このとき私がしたのは2つだけです。
①担任の先生に相談した
「今の次郎の状態で塾なしでやっていけると思いますか?」と正直に聞きました。先生の答えは「勉強習慣があり、自分で進められているなら必須ではない」でした。
②感情ではなく「現状」で判断した
「不安だから塾に行く」ではなく、「今の学習習慣・成績・家計の状況」を客観的に見て判断しました。不安は塾でしか解消されるものではありません。
次郎はその後、塾なしで関関同立に合格しました。
出費はゼロではない。滑り止め出願費用の現実
塾なし受験でも出費がゼロというわけではありません。見落としがちなのが出願費用です。
大学入試の出願料は1校あたり3〜5万円。複数校受験すればその分かさみます。双子で同時受験した我が家では、出願費用だけで予想以上の金額になりました。
ただ、この費用を「無駄」とは思っていません。
滑り止め校に出願していたことで、国立大学の試験前に2人とも私立大学の合格を手にしていました。



「もし本命がだめでも行ける場所がある」という安心感は、本番の試験に大きくプラスに働きます。滑り止め出願は「お金」ではなく「安心料」として考えることをおすすめします。
親にできること・やってはいけないこと
やること
情報を先回りして把握する
模試の日程、出願締め切り、入試制度の変更点は子どもより先に親が把握します。子どもは勉強に集中させ、情報収集は親の仕事と割り切る。
見守る体勢をつくる
「ちゃんとやってるの?」より「何か困ってることある?」のほうが子どもは動きます。管理ではなく、サポートです。
家計の現実を正直に話す
「塾に使うお金を、大学入学後の費用に回したい」という理由を正直に話しました。子どもが当事者意識を持つことで、自分で考えて動くようになります。
やってはいけないこと
- 他の家庭・兄弟と比べる
- 模試の結果が悪いときに責める
- 毎日の勉強時間を監視・管理する
- 志望校を親が押しつける
受験の主役は子どもです。
よくある質問
Q. 偏差値が低くても塾なしで大丈夫ですか?
現在の偏差値より「勉強習慣があるかどうか」のほうが重要です。スタディサプリは中学範囲から遡れるので、基礎固めにも使えます。
Q. 国公立大学を目指しているのに塾なしで大丈夫ですか?
大丈夫です。太郎、次郎が国公立大学に塾なしで合格した実例です。記述対策は学校の先生への添削依頼で対応できます。
Q. スタディサプリだけで足りますか?
インプット(理解)には十分ですが、アウトプット(演習)は参考書・問題集で補う必要があります。難関大志望ならZ会の添削も加えると記述力が伸びます。
Q. 子どもが「塾に行きたい」と言い出したらどうすればいいですか?
まず「なぜ行きたいのか」を聞いてください。「友達が行っているから不安」なら現状の学習を整理し直す。「特定の科目でどうしても理解できない」なら単科の映像授業や先生への質問で解決できないか検討する。それでも解決しないなら、単科だけ塾を使う選択肢もあります。
Q. 塾なし受験で一番大変だったことは?
情報の少なさです。塾には「この時期にこれをやれ」という道筋がありますが、塾なしだと自分たちで取りに行く必要があります。学校の先生・ネット・模試の結果を総動員して情報を集めることが、塾なし受験の最大の課題です。
まとめ
最後に、受験期を振り返って最も大切だったことをまとめます。
1. 塾に行くかどうかより「習慣があるか」を見る
塾はあくまで環境。自分で進められる習慣があれば、塾なしでも十分戦えます。
2. 費用を正直に計算して、子どもと共有する
塾代・出願費用・入学金・仕送り。大学受験はゴールではなく通過点。全体の費用を見たうえで判断してください。
3. 映像授業+参考書+過去問の3本柱で完結させる
あれもこれもと手を広げず、3つを深く。シンプルな戦略が一番強い。
4. 子どもを信じる
模試でe判定だった次郎が、最後まで諦めずに合格を掴んだ。数字や判定より、子どもの意志と行動を信じてください。
5. 受験期は、親子で過ごせる最後の大切な時間
子どもが大学に進学し、社会に出ていくと、あっという間に親元を離れます。受験期をともに乗り越えた経験は、親子の関係を深め、子どもの一生の財産になります。
塾なし受験は「何もしない」ことではありません。「何を、どう、やり切るか」を自分で決める受験です。
その選択は、勉強だけでなく、子どもの人生を切り拓く力を育てます。
あなたの家族の受験が、後悔のないものになることを願っています。
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