怒涛の私立大学入試を終え、いよいよ本丸である「国公立大学・前期日程」の朝がやってきました。
泣いても笑っても、これが第一志望に挑める最大のチャンス。 しかし、我が家の双子を包んでいたのは、決して希望に満ちた明るい空気ではありませんでした。私立大学での苦戦という現実が、彼らの自信を少しずつ削り取っていたのです。
親の私にできたのは、ただ無言で背中を見送ることだけでした。あの息が詰まるような前期日程の数日間を振り返ります。
1. 【太郎】模試1位・B判定で挑む「大本命」の重圧
理系の太郎が受験したのは、秋の河合塾オープン模試で志望校内1位を獲得し、センターリサーチでも「B判定」を出していた大学でした。
データだけ見れば「勝負できる」はず。 しかし、本番のプレッシャーは模試とは比べ物になりません。私立での厳しい結果も相まって、「ここで決めなければ」という重圧が、彼の小さな背中に重くのしかかっていたはずです。
2. 【次郎】初めて足を踏み入れたキャンパスで感じた「現実」
一方、文系の次郎は、センター試験の結果(マークミス疑惑による点数ダウン)を受け、第一志望を諦め、リサーチ結果を頼りに出願先を変更していました。
彼にとって、前期日程の会場は「受験当日に初めて行く大学」でした。 オープンキャンパスすら行ったことのない、未知の場所。
感覚で動くタイプの次郎。試験後、「大学、どうだった?」と聞いてみると、彼は少し寂しそうな顔をしてこう言いました。
次郎……やっぱり、諦めた志望校ほど魅力は感じなかった
頭では納得して出願したはずなのに、いざその場に立つと、どうしても「本当に行きたかった場所」と比べてしまう。18歳の痛いほどの本音がそこにありました。
3. 恐怖の「自己採点封印」と、静まり返るリビング
試験を終えて帰宅した二人に、「手応えはどうだった?」と恐る恐る聞いてみました。 返ってきたのは、ただ一言。



……わからない
口数は少なく、それ以上は何も語ろうとしませんでした。 いつもなら大手予備校の解答速報が出ればすぐに丸つけをするはずなのに、二人とも自己採点をしようとすらしないのです。
おそらく、私立大学で「ほぼ全滅」という厳しい現実を突きつけられていたため、これ以上自分たちの自信を砕かれるのが怖かったのだと思います。合格発表までの間、我が家のリビングからは「できた」「できなかった」という受験の話がピタリと消えました。
4. ボロボロの英単語帳が教えてくれること
息子たちは不安に押しつぶされそうになっていました。 でも、私は知っています。
彼らが、この日のためにどれだけ自分を追い込んで頑張ってきたか。 毎日毎日、夜中まで机に向かっていたこと。 何度も何度もめくって、手垢で真っ黒になり、ページがちぎれるほどボロボロになった英単語帳の姿を。
「あんなに頑張ったんだから、絶対に大丈夫」 そう口に出すのは簡単ですが、気休めの言葉が今の彼らに届かないことも分かっていました。
だから私は、彼らの前では努めて「いつも通り」の母でいようと決めました。 心の中で、神様に何度も何度も祈りながら。長く、苦しく、祈るような日々が、合格発表の日まで続きました。
おわりに:親の仕事は「信じて待つ」ことだけ
前期日程が終わると、あとはもう運命の合格発表を待つしかありません。 不安で押しつぶされそうな子供を前に、親も同じようにパニックになってはいけない。自分の無力さを痛感しながらも、「信じて待つ」ことこそが、親の最後の、そして最大の仕事なのだと思い知らされた日々でした。
そしてこの後、我が家にはあの「後期日程の合格」と「怒涛の3月末の追加合格」という、運命のどんでん返しが待ち受けているのです。
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