保護者





高3の夏、併願校を考えはじめると、必ずこの疑問にぶつかります。私もそうでした。
先に答えを言います。私大の入学金の納付期限は「合格発表から1〜2週間以内」が多く、金額は1校20〜30万円程度が目安です。 そして国公立志望なら、この締切は前期の合格発表より先に来ます。つまり「受かったら行かない大学」にお金を払うかどうか、親が決めることになります。
わが家は双子で、私大2校分、国立1校分、合計3校分の入学金を結果的に手放しました。この記事では主に私大の入学金について書きますが、国立後期に合格したあとにも同じような判断がありました。いつ・いくら必要になるのかの目安と、締切前夜のわが家の話を書きます。





私大の入学金、結局いつまでにいくら?
目安は「合格発表から1〜2週間以内に、1校あたり20〜30万円」です。文部科学省の調査では、私立大の入学金は平均およそ25万円とされています(※最新の数字と各大学の金額は募集要項でご確認ください)。
締切までの日数は大学によってかなり差があります。発表の翌週が締切というケースもあれば、国公立の前期発表まで待ってくれる「延納・分納制度」のある大学も一部にはあるようです。ただし延納できるのは授業料などで、入学金そのものは待ってもらえないケースが多い印象でした。
| 入試方式 | 合格発表の時期(目安) | 入学金納付の時期(目安) |
|---|---|---|
| 総合型選抜 | 11月〜12月 | 発表から1〜2週間後 |
| 学校推薦型選抜 | 11月〜12月 | 発表から1〜2週間後 |
| 共通テスト利用・一般 | 2月上旬〜下旬 | 2月中旬〜3月上旬 |
| (参考)国公立前期の発表 | 3月上旬 | — |
| (参考)国公立後期の発表 | 3月下旬 | — |
※年度・大学により異なります。実際の日付は必ず各大学の募集要項で確認してください。
表を見て、気づいたでしょうか。私大の入学金締切は、ほぼすべて国公立前期の発表(3月上旬)より前に来ます。 ここが親を悩ませる仕組みの正体です。
なぜ「捨てるお金」になるの?
国公立の結果が出る前に、私大の締切が来るからです。
国立志望の子が滑り止めの私大に受かったとします。入学金を払わなければ、合格は取り消しです。払えば席は確保できますが、その後に国立へ受かったら、払った入学金は返ってきません。過去の最高裁判決でも、入学金は「入学できる地位を確保するための対価」とされ、原則として返還されないと整理されています。一方で授業料などは、3月31日までに入学辞退を申し出れば返還対象になるケースがあるようです。実際の扱いは大学ごとに違うため、必ず募集要項・入学手続要項で確認してください。
つまり選択肢は2つだけです。
- 払って、席を確保する(国立に受かったら捨てる)
- 払わずに、国立一本に賭ける
どちらを選んでも、決めるのは子どもではなく、お金を出す親です。20万円台のお金を「保険料」と割り切れるかどうか。ここで揉める家庭は、わが家を含めて多いのではないでしょうか。
わが家はどうだった?——私大2校+国立1校、合計3校分を手放しました
うちは男子双子で、2人とも塾なしで大学受験をしました。結論から言うと、入学金を納めたのは進学先も含めて5校、そのうち捨てたのは私大2校分+国立1校分の合計3校分です。捨てた金額にして約75万円。
理系の子——「俺は国立に受かるから」
理系の子は共通テスト利用(共テの点数だけで私大に出願できる方式)で、私立に合格しました。押さえができた。ほっとしたのは私だけでした。
本人は「入学金は納めない」と言い張りました。「俺は国立に受かるから」。
その7文字を信じたい気持ちと、前期で落ちたら行き先がなくなる現実。食卓で言い合いになり、その日は結論が出ませんでした。私が振込用紙を持って銀行の窓口に並んだのは、締切前日です。
結果、前期は不合格でした。あの日納めなかったらと思うと、今でも背中が冷たくなります。彼は後期で国立(情報系)に受かり、そちらへ進みました。私立の入学金25万円は、戻ってきません。
文系の子——推薦で確保した1校も、最後は
文系の子は、併願可能な学校推薦型(一般入試にも挑戦できるタイプの推薦入試)に出願していました。ただ、結果が出たのは11月です。夏の間は「受かるかどうか分からないまま」一般入試の勉強も並行するしかありませんでした(このあたりの夏の話は総合型選抜は夏からで遅い?に書きました)。


11月に推薦の合格が出て、入学金を納めて席を確保しました。それでも本人は一般入試に挑み、前期は不合格。後期で国立に合格しました。最終的に彼が選んだのは別の私立大(経済系)で、推薦で確保した大学と国立後期の大学、2校分の入学金を捨てる形になりました。



保険は、使わずに済んだときに「もったいない」と見えるものなのだと、双子の受験を終えて思います。
入学金を捨てない方法はある?
正直に言うと、完全に避ける方法は見つかりませんでした。減らす工夫なら、いくつかあります。
- 一般後期日程や共通テスト利用後期など、発表・手続締切が遅めの方式を併願に組み込む(共テ利用でも前期型は発表が早い大学が多いので、狙うなら「後期」の名前がつく方式)
- 延納・分納制度のある大学を調べておく(数は多くないようですが、あれば大きい)
- 「捨ててもいい上限額」を先に家族で決めておく(わが家はこれをせずに揉めました)
ただし、締切の遅さで併願校を選ぶのは本末転倒です。安全校の役目は「行ってもいい大学であること」。お金を優先して受験校の質を下げたら、保険の意味がありません。減らす工夫には限界がある、と考えておいた方が現実的だと思います。
夏のいま、親がやっておくこと5つ
入学金の悩みが本格化するのは秋以降です。でも、夏のうちにできる準備で、冬の修羅場はかなり軽くなります。
- 併願候補すべての「入学金額」と「納付締切」を募集要項で調べる(今年度分が未公開なら前年度を仮置き)
- 合格発表日と納付締切をカレンダーに書き込む(締切が国公立発表の前か後かを色分けすると一目で分かります)
- 入学金分のお金を、すぐ振り込める口座に移しておく(定期や学資保険のままだと解約に日数がかかります)
- 「捨てる上限は○万円まで」を家族で決めておく(発表当日に初めて話し合うのが、いちばん揉めます)
- 振込手段を確認しておく(ネットバンキングの1日あたり限度額、窓口の営業時間。締切前日に慌てたのは私です)
教育費全体をどう準備してきたかは教育費の貯め方に、入学金を含む初年度の総額は双子の大学費用は初年度240万円にまとめています。




まとめ:入学金は「親の覚悟の値段」でした
- 私大の入学金は合格発表から1〜2週間以内・1校20〜30万円程度が目安
- 締切は国公立前期の発表より先に来る。だから「捨てる前提」の判断になる
- 減らす工夫はあっても、ゼロにする方法は(わが家には)なかった
- 夏のうちに「締切カレンダー」と「捨てる上限額」を用意しておくと、冬に慌てない
払うかどうかを最後に決めるのは、たぶんお子さんではなくあなたです。わが家が3校分を捨てて後悔していないのは、金額の話を「合格発表の前」に済ませていた…と言いたいところですが、実際は前日まで揉めました。だからこそ、この記事を夏に書いています。
同じ悩みで眠れない夜の話は、入学金ジレンマにも書いています。よければそちらもどうぞ。


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